港の雨の中の世界拡大

今週のお題「夏休みの宿題」
何か自由研究を、という小学校の先生からのお題の意味もわからずにもう夏休みも終わるころ。
はて、自由研究とは何かと、無自覚と無能に直面して家族に泣いて訴えた結果、気仙沼湾に停泊している船の名前とどこからきたのかを記録するという、まさにこのまちにふさわしいお題をいただいて港に飛び出したが、そりゃもう、けっこうな雨だった。
台風か何か、時化が近づいていて、気仙沼の港は、岸壁から海面が見えないくらい漁船がぎゅうぎゅうに係留されていた。
雨に打たれながら、港の南から北へ2時間も歩いただろうか。メモ帳に船名と県名を書いて、うちに戻った。
その結果をどう小学校で発表したのかは記憶なし。でも、高知、北海道、宮崎、三重、富山なんて県名を見たときには、世界が広がったものだった。家族に感謝の雨の一日が忘れられない。