甘いの酸っぱいのって

今週のお題甘酸っぱい思い出
下校のときにいっしょになった。いつもと違う道だっちゃ。あっ、と言って坂に向かった。並んだ影は木々の影とともに坂の下にのびた。何も言わずに坂を下った。小さいころから遊び場にしたこの坂だ。草むらや切り株もヘイチャラで、ポンポンと下っていって、並んで歩いたのは何秒だったか。後からついてくれば、こんな坂、平気さって言いたかったのかね。坂の下はもう家に近づいて、日差しは坂の下には届かない。振り返って、んでな、って言って、よく見えないけれども、瞳が輝いたような気がして、わかれていった。なんとかかんとかの秋の夕暮れ。