いつまで、いつから、経済音痴

今週のお題「ゲームと私」

バンカースというゲームがあった。だれかのお土産だったかもしれない。当時は、ちょっと流行っていた。
双六のように盤上のマスを進み、予め配られたお金で、止まったマスを土地に見立てて買い、家を立てたり、自分の家に止まった相手から家賃をとったりして、金持ち具合を競うゲームだった。止まったマスによっては、罰を受けたり、儲け話に誘われたり、銀行からお金を借りたりできた。でも、ほんとうのルールでできていたかはわからない。
近所の友だちとやっていたときのこと。その日は、調子がよくて、銀行からずいぶんお金を借りることができ、よく儲かる土地を買い、家も増えて、家賃がいっぱい入ってきた。その土地は、東京の銀座かどこかの名がつけられていて、そこが高級な場所だということは、田舎の子どもにもわかったもので、図に乗った私は銀行役の友だちに「家賃を値上げできないかな」と相談した。そのとき間髪をいれず、その日苦戦の友だちから「貧乏人のことも考えろ」と声が上がった。
世の中のことを知った瞬間のひとつである。
バンカースの流行りは、それから間もなく終わった。