気仙沼は、埋め立ての歴史の上にある

夕暮れの気仙沼湾。沈下が著しい朝日町付近の海岸から北西を望む。夕映えのもと、わずかだが、湾沿いの灯りがふえてきた。
この場所に至る道は、1メートルほどの土盛りが施されている。それでもところどころは海水に浸る。先人が努力して、浅瀬を埋め立て土地を広げた。子どものころに、それを見ていた。そこが海にもどっている。私は子どもにもどれない。